目 的
この法人は、水産物の安定供給の確保及び漁業者の生産活動の促進を図るため、栽培漁業の推進、漁場環境の保全及び漁業操業安全等に関する事業を行い、もって愛媛県の水産業の発展に寄与することを目的とする。
沿 革
- 1 沿 革
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昭和58年6月の沿整法の一部改正によって、県での栽培漁業推進基本計画の策定や指定法人による放流効果実証事業の実施など、栽培漁業を積極的に推進していくための法的整備がなされたことから、本県においても栽培漁業の役割分担を明確化し、指定法人を設立しようという動きが、漁業者団体を中心に見られるようになった。
本県における種苗放流は、その目的から概ね3つに大別され、それぞれ次のとおりの役割分担が適当であると考えられてきた。
まず第1は、中間育成・放流技術の開発や放流効果の把握を目的として試験的に行う放流であり、これは栽培漁業の基本的なところであることから、水産試験場を中心として県が行うべきものである。
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次に、中間育成技術の習得や放流効果の実証などを目的に行うパイロット的な事業であるが、これは栽培漁業を漁業者に定着させるための橋渡し的な事業であることから、指定法人のような受け皿で行うことが望ましい。
3番目は、資源の増大を目的として行う放流で、これは事業化段階にあることから、本来は漁業者が主体となって実施すべきものであるが、従来のように県が種苗を提供して市町村や漁協が個々ばらばらに放流するという形では、計画的かつ効率的な実施が困難であること、さらには、放流された種苗が広範囲に移動し、受益者が不特定多数にわたるなど公共的な性格を有していることから、地方公共団体や漁協等が出捐した基金の運用益により行うことが適当である。
このような考え方のもとに、本県の栽培漁業を総合的に実施していくための受け皿として「基金」の創設が不可欠とされ、この流れを受けて県では、昭和60年6月に栽培漁業振興基金造成検討委員会を設置し、基金の目的や造成額、負担区分、事業計画等を検討のうえ、昭和61年12月12日、新規の財団法人として本基金が設立されることになったものである。また、昭和62年1月9日には、放流効果実証事業を実施し漁業者に栽培漁業を定着させる指定法人の指定を受け、名実ともに本県における栽培漁業の推進母体としてスタートをきった。
その後、かねてより「財団法人愛媛県栽培漁業基金」と「財団法人愛媛県水産振興基金」との間で事務の合理化と事務執行体制の強化を目的に統合についての議論を重ねていたが、平成22年12月13日に愛媛県の認可を得て、平成23年4月1日付け合併し「財団法人えひめ海づくり基金」を設立した。
そして、公益法人制度改革に伴い平成25年4月1日付け、「公益財団法人えひめ海づくり基金」を設立した。
- 2 基金の造成
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基金の造成にあたっては、県の検討委員会における検討の結果、昭和59年6月に策定された愛媛県栽培漁業推進基本計画(第1期計画)に定める、昭和62年度放流目標を達成する規模として、種苗の購入、中間育成、放流に要する経費を確保するために、15億円の栽培漁業推進基金が必要と決定された。
その負担区分については、租税特別措置の関係から、地方公共団体で負担する全体の1/2にあたる7.5億円を県と市町村がそれぞれ2:1で負担して県5億円、市町村2.5億円とし、残り1/2については、漁協が全体の30%にあたる4.5億円、県漁連等の水産団体と企業がそれぞれ全体の10%にあたる1.5億円ずつを負担することになった。
また、特長的なことは、海のない市町村を含む県下70の全市町村から出捐をいただいたことであり、栽培漁業の公共的な性格を十分理解していただいた結果と考えている。さらに企業は、沿海に工場を有する等の有力企業16社に御協力をいただいた。
なお、出捐は、昭和61年度と62年度の2年間で約半分ずつ行っており、15億円の栽培漁業推進基金が造成され、その後、平成2年度に5億円が追加造成された。現在は、合併に伴い26億3千220万円の基本財産が造成されている。
◆基本財産の出捐割合
基本財産 2,632,200千円 主な出捐者 出捐者名 出捐額(千円) 出捐比率(%) 県内11漁業協同組合 愛媛県漁業協同組合 715,370 27.2 上記以外 246,095 9.3 愛媛県 785,000 29.8 県内20市町 481,900 18.3 県内17企業 219,000 8.3 県内5水産団体 118,000 4.5 剰余金繰入 66,835 2.5 計 2,632,200 100.0 - 3 設立趣意書
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我が国の漁業は、国際的な200海里体制の定着に伴い、その生産構造に大きな変化を来たし、水産物の安定供給に果たす沿岸漁業の役割が益々増大しており、我が国周辺海域の本格的な整備開発を進め「つくり育てる漁業」の積極的な展開が急務となっております。
一方、本件の沿岸漁業は、燧灘・伊予灘・宇和海というそれぞれ特性のある好漁場に恵まれ着実に発展し、全国でも有数の水産県としての地位を築いてきたところであり、さらに今後は西瀬戸経済圏における生鮮魚介類の供給基地としての役割が大きく期待されているところであります。
しかしながら、近年の厳しい漁業環境の中で将来にわたって足腰の強い愛媛の漁業を育成していくためには、沿岸漁場の生産力を増強し、適切な資源管理のもとに安定した漁業生産をあげることが強く求められております。このため、この資源管理型漁業の先導的な役割を果たす栽培漁業の推進が本県漁業振興の最重要課題であると認識されます。
このようなことから、このたび県・市町村・漁協・水産団体及び経済界が協調し、本県における栽培漁業推進の拠点として、財団法人愛媛県栽培漁業基金を設立し、計画的かつ効率的な栽培漁業を展開することによって、本県漁業の発展と漁業者の生活安定に寄与しようとするものであります。
役員名簿・評議員名簿
◆役員名簿 (理事9名、監事2名)
区 分 | 役 職 名 | 氏 名 | 現 職 名 |
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県 | 理 事 | 久保田英和 | 愛媛県水産局長 |
市 町 | 理 事 | 森 貞亜 | 今治市農林水産課長 |
水産団体 | 理事長 | 平井義則 | 愛媛県漁業協同組合代表理事組合長 |
専務理事 | 藤井栄吉 | (公財)えひめ海づくり基金事務局長 | |
漁業協同組合 | 副理事長 | 徳永安清 | 愛媛県漁業協同組合桜井支所運営委員長 |
理 事 | 今井 勝 | 愛媛県漁業協同組合弓削支所運営委員長 | |
〃 | 網江正安 | 上灘漁業協同組合代表理事組合長 | |
〃 | 谷上信行 | 長浜町漁業協同組合代表理事組合長 | |
〃 | 立花弘樹 | 愛南漁業協同組合代表理事組合長 | |
水産団体 | 監 事 | 宮谷輝夫 | 愛媛県漁業協同組合大浜支所運営委員長 |
漁業協同組合 | 〃 | 吉野敦夫 | 下灘漁業協同組合代表理事組合長 |
◆評議員名簿 (評議員9名)
区 分 | 役 職 名 | 氏 名 | 現 職 名 |
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県 | 評議員 | 梶田陽一郎 | 愛媛県水産課長 |
学 識 | 〃 | 三浦 猛 | 愛媛大学大学院農学研究科教授 |
水産団体 | 〃 | 古谷康二 | 愛媛県信用漁業協同組合連合会専務理事 |
漁業協同組合 | 〃 | 関 洋二 | 愛媛県漁業協同組合宮窪支所運営委員長 |
〃 | 中村卓三 | 愛媛県漁業協同組合伯方支所運営委員長 | |
〃 | 松本博和 | 愛媛県漁業協同組合中島支所運営委員長 | |
〃 | 對尾眞也 | 伊予漁業協同組合代表理事組合長 | |
〃 | 福島大朝 | 八幡浜漁業協同組合代表理事組合長 | |
〃 | 竹田英則 | 久良漁業協同組合代表理事組合長 |
理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
評議員の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
アクセス・お問い合わせ
- ■アクセス
- 〒790-0002
愛媛県松山市二番町4丁目6番地2「水産会館3階」 - ■お問い合わせ
- 公益財団法人 えひめ海づくり基金
TEL. 089-933-8723 FAX.089-933-8161
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